Syncdoor かまくらの人たちの話を聞こう Vol.6(後編)

2016年9月7日 @ノキノシタ

Guest :

とまそんさん(ミュージシャン/小川コータ&とまそん

林彩子さん(陶芸家/At Home Works主宰)

隣に住む人の話をきこう。
私たちのいる鎌倉には、いろいろな活動をやっている人たちがいます。
身近にいる人たちがどんな想いで、どんなことをやっているのか。
鎌倉で活動する人たちの話を聞く公開インタビューイベントの6回目(後編)です。

(前編はこちらからどうぞ。)

 

ーアーティスト同士のふたりの関係

ひ)私たちも夫婦で自営業なので、お二人の関係性がすごく気になっています。お互いアーティスト活動をされていて、影響を受けたり、作品に意見をもらうことはありますか?

 

彩)影響を受けることはすごくあります。とまそんについてすごいと思っているのが、私の仕事の中であると良さそうな物や足りなくなりそうな物を先回りして気付いてくれるんです。

例えば「取引先が増えてきたから棚が足りないんじゃない?」と言われて’そいういえば最近どこに作品を置こう、と思うことが増えてたんだよね’と気付かされたり。そして新しい棚をすぐ作ってくれるんです。そうやって効率良く回るようずっと気にかけてくれているので、とまそんが居なかったらとっくの昔に回らなくなっています(笑)

 

と)僕は歌詞を書いたら一番最初に彩子に見せます。音楽制作は細かく入り込む作業と引いて見ることを繰り返すので、いいのか悪いのかだんだん分からなくなってくるんです。なので一番近い客観の彩子の意見は大事に思っています。

 

彩)知り合いのミュージシャンに言うと「え、作品に口だしてるの!?」と驚かれますが(笑)

 

ー発想力や想像力の源

 

ひ)あとお2人についてすごいなと日頃思っているのが、発想力や想像力です。その源ってなんですか?

 

と)偏った物事の見方をしないように気をつけています。そして物を特徴で捉えるようにしています。例えば、子供のサンダルは、底が重くて、口の幅が変えられるもの。あ、ドリンクホルダーに丁度いいじゃんと思って、さっき来る途中の車でドリンクホルダーに使っていました。(一同爆笑)物事をそうやって捉えるとすごく発想が広がります。

 

彩)そうそう、陶芸には作り方のセオリーあるんですが、全く新しい発想の作り方を提案してくれることもあります。

 

と)友達のミュージシャンは、ノートパソコンの端っこをたたいた音がいいと言って、その音をリズムトラックにして曲を作っていたりします。そうやってなんでも音楽や楽器になっちゃうと思うと、面白い物で世界は溢れていると。そういう心持ちで居られたらいつも楽しいですよね。

 

ー暮らしと子育て

 

ひ)お二人といると楽しくなってしまう理由が分かった気がします。そんな楽しみ上手なおふたりが暮らしの中や子育てについて大切にしていることを教えてください。

 

と)まずは子ども扱いしないことを気を付けています。

無意識にしている「子ども扱い」に気づいて、そこから外に出るにはどうしたら良いか、その方法を僕は真剣に考えています。例えば、子供のことを’魔法で子供の姿に変えられてしまった大人’だと思うと自分の行動が変わるんです。そうやって想像するととらわれていた観念から飛び出せることがあります。

 

彩)それに関連して言うと、大人がふたりで部屋にいて、相手が何も言わずにトイレに言ったらびっくりしますよね。でも子どもにはそれをやっていたりする。

だから子どももひとりの人だと思って、「トイレにいってくるね」「今日は何時に帰るね」とか言うように気をつけています。

 

と)あと、遊んで「あげている」という感覚もできるだけ持たないようにしています。うがった見方も全部伝わってしまうと思っているので、自分も一緒に遊んでいる感覚、目一杯楽しめる遊びをするようにしています。

 

ー夫婦喧嘩は?

 

ひ)鎌倉のベストカップルとも言えるお二人ですが、夫婦喧嘩をすることはありますか?

 

と)うち、朝にトーストを食べるんですけど、毎朝彩子が焦がすんですよ。最初の頃はそれもまあ可愛いなと思っていたんですけど、それが毎日になってくると本当に腹が立って本気で喧嘩したことがあります。(一同爆笑)

 

彩)「俺はトーストの一番いい状態を知ってるんだよ!」って言ってたからね。

 

彩)私子供をアトリエに連れてきて仕事をしているんですけど、時々、とまそんが子供を見てくれることがあるんです。そういう時には帰ったら「今日ありがとうねー!おかげでこんなに仕事ができたよ!」といの一番に伝えているんです。

けれど私が子供と一緒にいることが当たり前すぎて、とまそんからの’ありがとう’が無かった時があって。ありがとうって要求するものでは無いと思うんだけど、言ってもらえただけで、全然いいよって思えるんだよ。ということをちょっと喧嘩腰で伝えたことはあります。(笑)

 

と)「ありがとうって言って欲しいんだけど!!」って迫られました(笑)

 

彩)でも言葉で伝えたことで’ありがとう‘と言ってくれるようになったんで、なんでも言うべきだなと改めて思いました。こうされると嬉しい、こうされると嫌だ、ということをうちは割と口にするようにしています。

‘ご飯食べている時にお茶を入れてくれると俺すげー嬉しいんだよね’というように些細なことでも、そう言われると「これぐらいのことでそんなに喜んでもらえるんだったらやろう」って思えますよね。で、やると相手も喜んでくれて、私にも何かを返してくれようとする、という良い循環が生まれるので。されて嬉しいこと、嫌なことはどんどん言って、お互い納得して気を付けて、というのは日々の中ですごく意識しています。

 

ひ)私はお二人と過ごす時間が増えてから、実はお二人から影響を受けていて、お互いの良いところを言い合うというのは意識して取り入れています。そうすることで、相手や周りも笑顔になることが分かってきて、良い循環が生まれているなと実感しています。ありがとうございます。

 

彩)嬉しい!

 

と)あとは良いことや悪いことというのは、自分がどう感じるか次第だと思っています。さっきの物事を特徴で捉える、という話に通じてくるんですけど、人のことも’こういうことをする人’と、特徴で捉えるようにしています。

例えば、彩子のことを書いた歌の中に「ルーズなお金 時間 レシピ」という歌詞があります。お金にルーズだったり、遅刻が多かったり、レシピが適当だったり、それが悪いと思うのは観念だと思っていて。自分にとってそれが本当に悪いことなのか、間違えちゃうところを可愛いと思えるのか、自分で判断することが大事だと思っています。それが人の信用を失うようなことだったら注意するんですけど、笑える範囲だったら一緒に共有して’やっちゃったね’と。

 

彩)でも毎日パンを焦がすのは可愛いの範疇を超えていたと(笑)

 

と)されて嫌なことを言うのはストレスになっちゃうかもしれないけど、されて嬉しいことは言われた分だけ相手も自分も頑張れるからすごく良いことだと思っています。
ただ、それをされて嬉しいと感じている自分に気付けるか、というのは一歩前の段階ですけどね。だから自分のことも日々チェックしていなくちゃいけない。

 

彩)私も相手を褒めるというのはどんどん口に出して言ったら良いと思っています。思ったのに言わないのは本当にもったいないよね。夫婦やカップルに限らず、親にも。だからアシスタントさんにも「お母さんにご飯美味しいって言ってあげてね。独立したらそのありがたみが分かるよ」と毎日のように言っています。

 

ひ)お二人は’どんどん言えばいい’と同時に’どんどんやればいい’とも思っていますよね?

 

と)’こういうことやってみたい‘’こうなったら面白いだろうな‘と何かを始める前って想像しますよね。でも結局やらなかったら思い付かなかったことと一緒、想像しなかったことと一緒だと思っているので、思い付いたからにはどんどん具体的にしたほうがいいなと思っています。

 

ひ)’思い立ったらとまそん’という言葉が生まれるほど行動が早いですよね。

 

彩)「想像できることは実現可能だ」って思っています。

 

と)いい言葉だね!(笑)

 

ひ)名言ですね!お二人とも家族をはじめお客さんやアシスタントさんなど、まず目の前の人たちと真剣に向き合っているからこそ、どんどん楽しい輪が広がっているのですね。今後もご活躍が楽しみです。

 

本日はお話をありがとうございました!

 

前編はこちらから